チンギス・ハーン
専属医考案の
羊の火鍋がルーツ
「しゃぶしゃぶ」の発祥は日本ではありません。実は、初代モンゴル帝国の皇帝フビライ・ハーンの侍医である忽思慧の考案による北京の火鍋の一種「涮羊肉(シュワンヤンロウ」という羊肉でしゃぶしゃぶする料理と言われています。それを鳥取市出身で民芸運動の指導者であった吉田璋也(よしだ しょうや)が、戦時中に軍医として赴任していた北京の料理を我が国に伝え、羊肉を牛肉に替え、柳宗悦(やなぎ むねよし)や河井寛次郎(かわい かんじろう)らの助言を得て今日の形となったそう。
吉田璋也によるしゃぶしゃぶの原型は「涮羊肉」の「涮」が「すすぐ」という意味があるのをそのまま訳したということで「牛肉のすすぎ鍋」と呼ばれ、現在でも鳥取市の「たくみ割烹」で供されているます。これを京都の料理屋「十二段家」の二代目主人に伝え、「牛の水炊き」として売り出し、大阪「永楽町スエヒロ本店」の先代店主が1952年に「しゃぶしゃぶ」という名称を考案し商標登録したという、いわば生みの親、育ての親、名付けの親があるということのようです。